経理で働くならどれ?仕事に直結する簿記資格7選を徹底比較!【2025年版】

この記事は「経理職への就職・転職を考えている × 実務で本当に役立つスキルを身につけたい × どの簿記資格を取るべきか迷っている」そんなあなたに向けた内容です。

経理は、会社の経営を支える「縁の下の力持ち」であり、専門性が高く安定した人気の職種です。その経理職へのパスポートとなるのが「簿記資格」。しかし、一口に簿記資格と言っても、「日商簿記」や「全経簿記」、さらには「BATIC」や「FASS」など、その種類は多岐にわたります。知名度だけで選んでしまうと、「自分の目指すキャリアには合わなかった…」ということにもなりかねません。この記事では、そんなあなたが自分の目的やキャリアプランに最適な資格を選び、経理のプロフェッショナルへの道を確実に歩み始められるよう、「知名度・信頼性」「専門性・対象業務」「キャリアアップへの貢献度」の3つの視点から、実務に強い簿記・会計資格を厳選してご紹介します。

この記事の要点(summary)

この記事では、経理職を目指す方が取得すべき、実務に直結する簿記・会計関連の資格を7つ厳選し、それぞれの特徴やキャリアパスを比較・解説します。

  • 経理職の就職・転職において、簿記資格は必須スキルであり、日商簿記2級が実務レベルの知識を証明するスタンダードとされています。
  • 国内での就職・転職で幅広く評価されたいなら、圧倒的な知名度と信頼性を誇る「日商簿記検定」の取得が最もおすすめです。
  • 外資系企業や海外取引のあるグローバル企業を目指すなら、英語力と国際会計基準の知識を証明できる「BATIC(国際会計検定)」が強力な武器になります。
  • 転職や昇進で、現在の経理実務スキルを客観的にアピールしたい場合は、知識だけでなく処理能力も測定する「FASS検定」の受験が有効です。
  • 建設業界や給与計算など、特定の分野に特化した専門性を高めたい場合は、「建設業経理士」や「給与計算実務能力検定」がキャリアアップに繋がります。

※本記事では「知名度・信頼性」「専門性・対象業務」「キャリアアップへの貢献度」の3つを評価軸にしています。

セクション1:【比較表】経理の仕事に直結する簿記・会計資格TOP7

以下は、経理職への就職・転職やキャリアアップに役立つ簿記・会計資格を比較した表です。あなたのキャリアプランに合わせて、最適な資格を選びましょう。

ランキング 資格名 おすすめ理由 公式サイト
1位 日商簿記検定 圧倒的な知名度と信頼性を誇る簿記資格の王道。経理職の求人で「日商簿記2級以上」が応募条件とされることが多く、就職・転職に最も有利。 公式サイトを見る
2位 BATIC(国際会計検定 ) 英語力と国際会計基準(IFRS)の知識を同時に証明できる。外資系企業や海外展開を進めるグローバル企業への転職で絶大な評価を得られる。 公式サイトを見る
3位 FASS検定 知識だけでなく、資産・決算・税務・資金といった経理実務の処理能力(スピードと正確性 )を測定。現在のスキルレベルを客観的に把握し、転職時のアピール材料になる。 公式サイトを見る
4位 全経簿記能力検定 経理専門学校の学生が多く受験し、実務に即した内容が特徴 。上級に合格すると税理士試験の受験資格が得られるため、税理士を目指す人の登竜門となる。 公式サイトを見る
5位 建設業経理士検定(CPA ) 建設業界特有の会計処理を学ぶ専門資格。建設会社の経理職では日商簿記より評価されることも多い。公共工事の入札に参加する際の評価点にもなるため、業界内で需要が高い。 公式サイトを見る
6位 給与計算実務能力検定® 給与計算に関わる社会保険や税務の知識を体系的に証明 。経理・人事・労務部門で、給与計算のプロとして専門性をアピールできる。 公式サイトを見る
7位 全商簿記実務検定 主に商業高校の生徒が受験する検定 。1級を取得すると大学の推薦入試で有利になることがある。実務経験を積む前の高校生・大学生が基礎固めとして取得するのに適している。 公式サイトを見る

セクション2:情報収集・比較検討サイトTOP3

簿記資格の学習方法や経理のキャリアに関する情報収集に役立つサイトを紹介します 。

サイト名 対象読者層 公式サイト
クレアール 【資格比較】様々な簿記資格の違いや、自分に合った資格の選び方について、資格予備校の視点から詳しく知りたい方。 https://www.crear-ac.co.jp/boki/feature/type/
資格の学校TAC 【講座情報】日商簿記を中心に、各級のレベルや学習内容、キャリアパスについて深く理解し、講座受講を検討している方 。 https://www.tac-school.co.jp/kouza_boki/boki_choose.html
KaikeiZine 【実務情報】会計・経理のプロ向けに、資格取得後のキャリアや実務で求められるスキルなど、現場のリアルな情報を知りたい方 。 https://kaikeizine.jp/article/17792/

セクション3:公式サイト詳細レビュー(7資格 )

TOP7でご紹介した資格について、「知名度・信頼性」「専門性・対象業務」「キャリアアップへの貢献度」の3つの評価軸で詳しくレビューします。

1. 日商簿記検定

知名度・信頼性 ★★★★★
専門性・対象業務 ★★★★☆
キャリアアップへの貢献度 ★★★★★

コメント:
経理を目指すなら、避けては通れない「簿記のスタンダード」。特に2級は、商業簿記に加えて工業簿記の知識も問われ、企業の財務諸表を理解できるレベルとして、多くの企業が応募条件に掲げています。まず日商簿記2級を取得し、実務経験を積みながら、より専門的な資格を目指すのが王道のキャリアパスです。近年はネット試験も導入され、受験しやすくなりました。

締め文:経理としてのキャリアをスタートさせ、将来的に大きく飛躍するための最も確実な土台となる資格です。

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2. BATIC(国際会計検定)

知名度・信頼性 ★★★★☆
専門性・対象業務 ★★★★★
キャリアアップへの貢献度 ★★★★★

コメント:
「経理 × 英語」で、グローバルに活躍する人材を目指すための最強の武器。英文簿記と国際会計基準(IFRS)の知識を証明できるため、外資系企業や海外に拠点を持つ日系企業の経理・財務部門への転職で非常に高く評価されます。日商簿記1級やTOEIC高得点と組み合わせることで、市場価値の高い希少な人材として、大幅なキャリアアップと年収アップが期待できます。

締め文:国内に留まらず、世界を舞台に活躍する経理のプロフェッショナルを目指す、向上心あふれるあなたに最適です。

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3. FASS検定

知名度・信頼性 ★★★☆☆
専門性・対象業務 ★★★★★
キャリアアップへの貢献度 ★★★★☆

コメント:
「知っている」だけでなく、「できる」ことを証明する、経理の実務能力測定テストです 。日商簿記が知識レベルを測るのに対し、FASS検定は実際の業務における処理能力(スピードと正確性)を評価します。結果は合否ではなくスコアで示され、A〜Eの5段階でレベル分けされます。特に経理経験者の転職活動において、自身の実務スキルを客観的な指標でアピールするのに非常に有効です。

締め文:これまでの実務経験に自信を持ち、自身の市場価値を正しく評価してもらいたい、経験豊富なあなたにおすすめです。

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4. 全経簿記能力検定

知名度・信頼性 ★★★☆☆
専門性・対象業務 ★★★★☆
キャリアアップへの貢献度 ★★★★☆

コメント:
税理士への道を切り拓くための重要なステップとなる資格です 。一般的な知名度は日商簿記に劣りますが、試験内容が実務的で、経理専門学校で広く採用されています。最大のメリットは、最上位資格である「上級」に合格すると、税理士試験の受験資格が得られること。日商簿記1級と並び、会計のプロフェッショナルを目指す上での登竜門と位置づけられています。

締め文:将来的に税理士という高みを目指し、会計の専門家としてキャリアを築きたい、高い志を持つあなたに最適です。

全経簿記能力検定 公式サイトへ

5. 建設業経理士検定(CPA)

知名度・信頼性 ★★★☆☆
専門性・対象業務 ★★★★★
キャリアアップへの貢献度 ★★★★☆

コメント:
建設業界で経理として働くなら、日商簿記よりも有利になる専門資格です。建設業では、工事の進捗に合わせて売上を計上するなど、特有の会計処理(勘定科目)が求められます。この資格は、その専門知識を直接証明するもの。有資格者は、公共工事の入札に参加する企業の評価点を上げる「経営事項審査」で加点対象となるため、業界内での需要が非常に高いのが特徴です。

締め文:建設業界という特定のフィールドで、替えの効かない経理のスペシャリストとして活躍したいあなたの価値を高めます。

建設業経理士検定 公式サイトへ

6. 給与計算実務能力検定®

知名度・信頼性 ★★☆☆☆
専門性・対象業務 ★★★★★
キャリアアップへの貢献度 ★★★☆☆

コメント:
毎月必ず発生する「給与計算」業務のプロフェッショナルであることを証明します 。給与計算は、所得税や住民税、社会保険料などが複雑に絡み合う、ミスが許されない重要な業務です。この資格は、その一連の知識と実務能力を体系的に証明できるため、経理部門だけでなく、人事・労務部門へのキャリアチェンジも視野に入れることができます。

締め文:経理の中でも特に「給与」という専門分野を極め、組織に不可欠な存在として活躍したいあなたにおすすめです。

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7. 全商簿記実務検定

知名度・信頼性 ★★☆☆☆
専門性・対象業務 ★★★☆☆
キャリアアップへの貢献度 ★★☆☆☆

コメント:
経理の道を目指す高校生・大学生にとって、最初の目標となる検定です 。主に商業高校の生徒が授業の一環で受験するため、社会人向けの知名度は日商簿記に比べて高くありません。しかし、1級(会計)を取得すれば大学の推薦入試で有利になる場合があり、早い段階から簿記の基礎を固めるのに役立ちます。経理としての実務経験を積む前の、入門編と位置づけるのが良いでしょう。

締め文:将来、経理の仕事に就くことを見据え、学生のうちから着実に基礎を学びたい、計画的なあなたの第一歩をサポートします。

全商簿記実務検定 公式サイトへ

セクション4:よくある質問(Q&A )

Q. 未経験から経理を目指す場合、まずどの資格を取るべきですか?

A. 結論から言うと、「日商簿記2級」を目指すのが最もおすすめです。多くの企業の求人情報で「日商簿記2級以上」が応募の必須条件または歓迎スキルとされています。まずは3級で簿記の基礎を学び、その勢いで2級まで取得することで、経理職への扉が大きく開かれます。学習方法としては、独学も可能ですが、効率よく合格を目指すなら資格予備校の通信講座などを利用するのが近道です。

Q. 日商簿記と全経簿記、どちらが就職に有利ですか?

A. 一般的な企業の経理職を目指すのであれば、圧倒的に「日商簿記」が有利です。知名度、信頼性ともに日商簿記が社会的な評価基準となっています。ただし、将来的に税理士を目指しており、その受験資格を得ることを目的とする場合は、「全経簿記上級」の合格も有効な選択肢となります。

Q. 簿記の資格があれば、実務経験がなくても経理に転職できますか?

A. 可能性は十分にあります。特に20代などの若手であれば、「ポテンシャル採用」として未経験でも日商簿記2級の資格を評価してくれる企業は多いです。30代以降の場合は、資格に加えて、営業職での予算管理経験や、他部署でのコスト削減への貢献など、数字に関わった経験をアピールできると、転職成功の確率が高まります。

Q. 経理としてキャリアアップするには、次にどんな資格を目指せば良いですか?

A. 日商簿記2級を取得し実務経験を積んだ後は、いくつかのキャリアパスが考えられます。①より高度な会計知識を身につけ、決算や財務分析に携わりたいなら「日商簿記1級」。②英語力を活かしてグローバルに活躍したいなら「BATIC」。③マネジメント層を目指すなら、経営の視点を学べる「中小企業診断士」。④税務のプロを目指すなら「税理士」など、ご自身の目指す方向に合わせて次の目標を設定しましょう。

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